アントシアニンの効果について

ブルーベリー(ビルベリー)に含まれる青紫の色素成分であるアントシアニンが、目の疲れを改善するということは一般に広く知られています。

眼球には、角膜とレンズの役割をしている水晶体が存在しています。角膜から光が入ると、水晶体を通り、網膜に像を結びます。網膜には光に反応する光受容細胞があり、脳にシグナルを伝え、ものを見るという感覚が得られます。

光に反応する細胞には、明るいところで反応する錘体細胞と暗いところで反応する桿体細胞があります。桿体細胞にはタンパク質と結合したロドプシンという色素体があり、ロドプシンは光の刺激を受けると瞬時に分解され、また再合成されるという性質があります。ロドプシンの分解・再合成が繰り返されることによって、光の情報が電気シグナルに変わります。これが脳に伝わって、ものが見えるという感覚を得ることができているわけです。

疲れ目はロドプシンの再合成がうまくいかなくなったために、ものが見えにくくなった状態です。疲れ目の予防・改善にはロドプシンの再合成を正常に保つことがポイントになります。

そこにうまく作用するのがアントシアニンです。アントシアニンはロドプシンの再合成を活発化させ、疲れ目を予防・改善する作用があります。

アントシアニンには、ロドプシンの再合成を促進し、疲れ目の改善をする以外にも、瞳孔や水晶体の働きを改善することも分かっています。

瞳孔は眼球に入る光の量を調節する働きをしていますが、目が疲れると瞳孔が緊張して小さく絞られてしまうため暗いところでものが見えにくくなることがあります。また、ものを見るときには水晶体の厚さを調節することでピントを合わせます。ピントが合わないと近視や遠視・乱視の原因となります。

アントシアニンは、この瞳孔の働きを正常に保ったり、近視などの目のトラブルを改善することが確認されています。これは瞳孔や水晶体の働きを調整する毛様体の血行が改善された結果だと考えられています。

目の周辺にある血管は、眼球の各部に酸素や栄養を運ぶ重要な働きをしています。ところが、この血管は、紫外線などによる活性酸素のダメージを受けやすく、血行が悪くなって酸素や栄養素が十分に行き渡らず、目のトラブルの原因になることがあります。

アントシアニンは強力な抗酸化作用によって活性酸素のダメージを防ぐとともに毛細血管を保護し、血管を拡張したり血小板凝集を抑制して血行を改善することが分かっています。また、毛様体の血行が良いと、角膜や水晶体に栄養を送っている房水という液体に十分な栄養が供給されるので、目の働きが改善されると考えられています。

目に対する様々な作用が注目されていますが、強力な抗酸化作用があるという事は目以外の部位に対しても良い働きが期待できるということです。

考えられる作用として血管強化作用・血小板凝集抑制作用・生活習慣病予防作用・尿路感染症予防作用・コラーゲン線維の強化作用・コラーゲンの合成促進作用・抗潰瘍作用があります。

コラーゲンは水晶体や角膜などに多く存在し、目の健康を守り、老化を防ぐために役立つといわれます。